日本語の語源を知る 〜目からうろこの語源書〜

プロフィール: 江 副 水 城(えぞえ みずき)、 出身地:熊本県 、学歴: 東京大学 法学部卒 、 趣味:麻雀、言語研究 、著書:『魚名源』 『鳥名源』 『獣名源』 『蟲名源』 『草木名の語源』

【こんにちは】の語源

「コンニチハ」、「コンバンハ」は、

英語では、good afternoon、good evening、

ドイツ語では、guten tag、guten abend、

中国語では、午上好(ウーシャンハオ)、晩上好(ワンシャンハオ)などといい、直訳すると、いずれも「よい午後ですね」や「よい夜ですね」の意味になっています。

 

 日本語の場合には、一般に流布されている説として「今日は、・・・」「今晩は、・・・」と、その後半の部分が省略されたものとされています。

 

 そうすると、例えば、晴れた日であれば「今日は、良いお天気ですね」、雨の日であれば「今日は、あいにくの雨ですね」などの意味になると思われます。

 

 しかし、それでは、後の言葉になんと続くのかを各々の場合について、各人が想像しなければいけないという、不親切で曖昧な表現になってしまい、挨拶としては歯切れの悪い不完全なものとなっていしまいます。

 

 実は、日本語の「こんにちは」の「は」は「好」の字を使った「今日好」、「今晩好」であり、「今日は好い日ですね」、「今晩は好い晩ですね」という意味なのです。一音節読みで、好は「ハオ」と読み、その省略形が「ハ」なのです。

 つまり、「コンニチハ」、「コンバンハ」の「ハ」は好「ハオ」のことであり、一気読みすることにより生ずる省略形なのです。

 

 そうしますと、日本語も外国語と同じように「よい日ですね」、「よい夜ですね」という意味の、論理的な言葉になっていることがわかります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。