【あだな】の語源
一世を風靡した有名な流行歌に「お富さん」というのがあり、その歌詞は「アダナ姿の洗い髪、死んだはずだよお富さん、生きていたとは お釈迦様でも知らぬ仏のお富さん えっさほー えーんやらや」になっています。この「アダナ姿」とは、どんな姿でしょうか。
漢語に婀娜という熟語があります。本来の一音節読みで、婀はオ、娜はナと読み、どちらも、女性の姿態が「美しい」の意味があるので、当然に、婀娜も同じ意味です。女性のことをオナゴとも言いますが婀娜子が語源です。
婀には阿、娜には那、が含まれているので、日本語では、婀はア、娜はナ、とも読んでいます。
アダナの「ダ」とは、一音節読みで美しいの意味の讜を婀娜の真ん中に加えたものです。したがって、「アダナ姿」とは、「美しい」の意味の語を三つ揃えた婀讜娜姿のことであり、「美しい姿」のことになり、これがこの言葉の語源です。
アデ姿は、アダナ姿からナを省略して少し訛り読みしたもので、漢字で書くと「婀讜姿」になり「美しい姿」の意味です。
アダッポイは、婀讜(アダ)に、一音節読みでツと読み、形容詞では「美しい」の意味の姿と、ポと読む強調語の「頗(すこぶ)る、とても」の意味の頗と、イと読む語気助詞の矣を加えて、婀讜姿頗矣を促音便もどきの読みにしたものです。直訳すると「美しいのが、とてもである」、つまり、「とても美しい」の意味になっています。
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