日本語の語源を知る 〜目からうろこの語源書〜

プロフィール: 江 副 水 城(えぞえ みずき)、 出身地:熊本県 、学歴: 東京大学 法学部卒 、 趣味:麻雀、言語研究 、著書:『魚名源』 『鳥名源』 『獣名源』 『蟲名源』 『草木名の語源』

【かぐや】姫の語源

 竹取物語という説話の主人公は、眩(まばゆ)いばかりの美しいお姫さまです。竹取物語は、平安時代に書かれ、現存する説話の中で最古のものと位置付けられています。

 この説話は、今昔物語にも「竹取翁が竹林で女児を見付けて養育した話」として語られています。その筋書きは、人口に膾炙(かいしゃ)したものなので、その内容については、ここでは省略します。

 かぐや姫は、漢字で赫映姫と書いてあります。しかしながら、赫映は「カグヤ」とは読めませんので、「当て読み」ということになります。当て読みとは、著者の造語であり、従来の訓読ということです。

は「光り輝く」、は「美しく映える」の意味ですから、字義の直訳では「光り輝き、美しく映える姫」の意味になっています。

 さて、カグヤとは、いったいどういう意味でしょうか。

一音節読みで、はカンと読み、この字の冠(かんむり)が竹となっていることから分かるように「竹筒」の意味があります。

はグと読み「父母のいない孤児」の意味、はヤンと読み「実親でない他人に養育される」の意味がありますです。

 したがって、カグヤ姫とは、管孤養姫の多少の訛り読みであり、直訳すると「竹筒の、孤児の、養育された姫」ですが、少し補足して意訳すると「竹筒の中にいた、孤児で、他人に養育された姫」の意味となり、これがこの姫の名前の語源です。

 

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