【かぐや】姫の語源
竹取物語という説話の主人公は、眩(まばゆ)いばかりの美しいお姫さまです。竹取物語は、平安時代に書かれ、現存する説話の中で最古のものと位置付けられています。
この説話は、今昔物語にも「竹取翁が竹林で女児を見付けて養育した話」として語られています。その筋書きは、人口に膾炙(かいしゃ)したものなので、その内容については、ここでは省略します。
かぐや姫は、漢字で赫映姫と書いてあります。しかしながら、赫映は「カグヤ」とは読めませんので、「当て読み」ということになります。当て読みとは、著者の造語であり、従来の訓読ということです。
赫は「光り輝く」、映は「美しく映える」の意味ですから、字義の直訳では「光り輝き、美しく映える姫」の意味になっています。
さて、カグヤとは、いったいどういう意味でしょうか。
一音節読みで、管はカンと読み、この字の冠(かんむり)が竹となっていることから分かるように「竹筒」の意味があります。
孤はグと読み「父母のいない孤児」の意味、養はヤンと読み「実親でない他人に養育される」の意味がありますです。
したがって、カグヤ姫とは、管孤養姫の多少の訛り読みであり、直訳すると「竹筒の、孤児の、養育された姫」ですが、少し補足して意訳すると「竹筒の中にいた、孤児で、他人に養育された姫」の意味となり、これがこの姫の名前の語源です。
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