日本語の語源を知る

日本語の語源を紹介します。日本語は漢字を基本的な素材としてつくられてきた言語です。古事記や日本書紀を読むと、この頃も盛んに言葉がつくられていたことが随所に記載されています。日本語の本質の一端を垣間見るということで、寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸甚です。

【あべこべ】の語源

 アベコベは、物事の順序・位置、物事に対する意見・考え方等が、本来のものと、逆さまであることを表現するときなどに使われます。

 例えば、「前と後がアベコベだよ」、「その考え方は、アベコベではないか」などと使います。したがって、アベコベのアとコとは、指示代名詞らしいことが想像されます。

 

 日本語で、指示代名詞と言われるものに、「あれ」、「それ」、「これ」があります。面白いことに、これらの指示代名詞の頭文字だけを合わせると「あそこ」や「そこ」になっています。

 

 さて、漢語では、「あれ」と「それ」の区別はなく、日本語の「あれ」と「それ」に相当する語は、いずれも那(ナ)です。また、「どれ」に相当する語も那(ナ)です。「これ」に相当する語は這(チォ)といいます。

 

 このようなことから、アベコベのアとコは、漢語ではなく、日本語の指示代名詞の「あれ」と「これ」らしいことが推測されます。そうすると、アベコベという言葉の意味を決定づけるのは、「ベ」ということになりますが、果たしてどんな意味なのでしょうか。

 

 背は、一音節読みで、ベイと読み「背(そむ)く、違背する、違反する」などの意味です。アベコベの「べ」は、背の多少の訛り読みであるとすると、あべこべは「あ背こ背」になり、「あれは違背しているこれは違背している」、つまり、「あれもこれも違背している」ということになり、これがこの言葉の語源と思われます。

 違背とは、違っていて反対であること、つまり、逆さまであることです。したがって、アベコベとは「あれとこれとが逆さまである」という意味になるのです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました